「酔芙蓉あれこれ」

 今でこそ「八尾の花?」と間違われるくらい有名になりましたが、小説「風の盆恋歌(高橋 治氏:著)」が生まれる迄は、八尾のほとんどの人は知らなかったと思います。勿論、私も...。
 
  昭和60年の風の盆の折の、「風の盆恋歌」テレビロケの時も、ロケハンはこの酔芙蓉を現地調達のつもりでやって来たのですが、富山はもちろん、金沢にもなく、結局東京の小石川植物園から50cm程の苗木を20本だったかな?、取り寄せたのが、八尾への初めての酔芙蓉サマだったのです。

 それで、ロケが終わって、私達ミーハーオバサンは競って苗木を譲ってもらいました。が、育て方を知らないばっかりに、見事、どなたも冬を越させる事は出来なかったハズです。

 というワケで、雪国で直植えは無理という事は、ず〜っと後に知りましたが、何年か経って当時の園芸屋さんの協力のもと、老人会とか諏訪町の方々の努力により、現在は八尾でもその姿を見る事が出来るようになりました。
 そんなこんなで、ヘソ曲がりの私には、あまり好きな花じゃない。
何故なら、この地には少し無理がある。
花の見頃は(八尾の気候では)9月下旬で、風の盆には未だ開花は無理なのに、小説では咲かせている!小説家のゴーマンさのおかげで、観光客は口々に「酔芙蓉はどこで咲いてるの??」 「・・・・。」
それと、朝純白なのに夕暮れになると赤く染まる・・・、これが素人向きじゃない!(笑)

 こんな事情を知ったうえで、今年も酔芙蓉に狂う・・・?


※近年、風の盆に花を咲かせている鉢をあちこちで見かけるようになりました。風の盆に間に合うように、皆さんそれなりに努力してるようです。温暖化のおかげで咲かせやすくなってるような気もしますが...。 (2001.7.7)

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