更けゆく秋の夜

漸く秋らしく、空には街を包み込むような鰯雲、街路樹には秋の色が宿り、神社の銀杏の実がふっくらと食べ頃を教えるかのように匂っています。

次々と大きな台風が襲って、この秋はどうなる事かと不安な日々でしたが、しばらくは落着いた天気予報が出てホッとしています。
被害に遭われた方々、お見舞い申し上げます。
此処は幸いにも風も雨もさほどではなく朝晩の冷え込みに慄いて暮らしています。
なぜなら、これから半年、石油の値段に一喜一憂しながら生き延びなきゃならないんで、おまけに今冬は寒いとか、高齢者には辛い季節です。

色んなイベントはすっかり終わって静かな毎日、でも、時々フラ〜っと観光客が。おまけに、風の盆の時の私のキツイ言葉にもう一度来てみたかったなんて言う人が。
入れる穴があったら入りたい、歳と共にも少しオトナシクなれるといいのですが...。
以前にも此処で書いたような気がするのですが、そこはその年寄りの忘れっぽい癖でご勘弁を。

私はこの町よりもっと岐阜県に近い山奥から48年前に嫁いで来たのですが、この町では10月末に「神送り」と言って出雲の国に神さんを送り出すのにフクラギ(ハマチ)を神棚に、勿論夕飯はお下がりの御刺身。
11月末には「神迎え」と、これまた同様フクラギをお供えします。
この時期、フクラギは身がしまって一番美味しい季節、もしかしてお魚屋さんの戦略だったのかな?  なんて罰当たりな事を思いながら美味しいお刺身を頂くのが慣わしです。
此の頃ではこんな習慣を踏襲してる家がどれ程あるかわかりませんが、山の出身者にはとっても楽しみ?な習慣ではあります。
富山県の習慣なのか、八尾だけの習慣なのか、どなたか各地方のこの時期の習慣を教えて下さいませ。
食べる事が生き甲斐の私、なかなかダイエットとは程遠い時節です。

今年の紅葉は大分遅れてる様子、でも、ボチボチ始まりますよ。
あまり寒くならないうちに北陸路に足を運んで、ついでに顔を見せて下さいな。


「 すっぽりと 坂町覆う 鰯雲  」

正子(2013.10.30)
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