雨が降ったらどうして行事が中止になるか

 さて、雨が降ったらどうして行事が中止になるか。
一、楽器が大事
一、衣装が大事
 まず楽器について。三味線、胡弓は自前、安くても50万円以下のものはないくらい。まして、雨や湿気が大敵。(そんな高価なもの、観光客に聞かせるためにオジャンにはしたくないですものね。)
 次に衣装。
男踊りの黒いハッピ、これは羽二重(上質の絹織物)です。少なく見積もっても一式30万円から。女踊りの浴衣などはブロードですが、やはり上質のブロードで、別染めですから一式5万円前後。
となりますが、これらの衣装は各町内の公共の財産です。新調するためには、各家々で共同出資(寄付)ということになります。

 以上のような理由で雨を嫌がるわけですが、やはり雨降りで一番残念なのは地元のおわらを演ずる面々。一年中の集大成を雨で流されるのはどんなに悲しくて口惜しいか!! そんなわけで、雨が降ったからといってゴチャゴチャ無理をいわないで下さいね。
そうそう、「だったら屋内でやればいい」などと言う方々がよくいらっしゃいます。一度深夜や明け方の「おわら」に出会ったことのある方ならばご理解いただけると思いますが、八尾町で、あのシチューエションでやるからこそ「本場のおわら」なのです。おわらは演じる側の楽しむための行事。「だれかの為に」ではないのです。 (99.8.13)

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